秘孔・肋骨砕き!滋賀県人伝説の真相に迫る
「おい、深爪!事件だぞ事件!」
パーマ液の強烈な匂いを漂わせた中年女性・鬼瓦刑事が、分厚い新聞をバシッと若手刑事・深爪の前に叩きつけた。深爪は眉間にシワを寄せながら、恐る恐る新聞を開く。
「コンビニ店員の肋骨を折った34歳女性保育士…?」
見出しを見た深爪は、思わず目を丸くした。鬼瓦刑事は腕組みをし、得意げに頷く。
「保育士のくせに、肋骨を折るなんて…まるで鬼だな!ガハハハ!」
鬼瓦刑事のダジャレに、深爪は「肋骨を折る鬼…?」と呟き、静かに新聞を机に置いた。
「…鬼瓦さん、僕、ちょっと疑問があるんですけど…」
「なんだ、深爪。犯人の凶悪さに震えて言葉も出ないか?」
「いえ、違うんです。腕を掴んだだけで肋骨って折れるんですか?もしかしたら、他に何か…」
深爪が言葉を濁すと、鬼瓦刑事は勢いよく立ち上がり、指を深爪に向けた。
「深爪!お前は事件の真相を疑うのか!?新聞に書いてあることが全てだ!いいか、この世にはな、肋骨を掴むだけでへし折る、**秘孔・肋骨砕き**の使い手がいるんだ!」
「ひ、秘孔…?」
深爪は思わず後ずさった。鬼瓦刑事はさらにヒートアップする。
「そうだ!そして、その技を使うのは…そう、**滋賀県人**だけなんだ!」
「滋賀県人…限定ですか…?」
「間違いない!滋賀県人は古来より、その秘孔を突く技術を代々受け継いできた選ばれし民なのだ!ガハハハ!」
鬼瓦刑事のぶっとんだ推理に、深爪は開いた口が塞がらない。
「じゃあ、犯人は滋賀県出身の保育士ってことですか…?」
「そういうことになるな!よし、深爪!今すぐ滋賀県に行って、肋骨砕きの達人を探すぞ!」
「ちょ、ちょっと待ってください!鬼瓦さん!」
深爪は必死に鬼瓦刑事を止めようとするが、鬼瓦刑事は聞く耳を持たない。
「行くぞ!深爪!事件を解決するのは、我々刑事の使命だ!**秘孔・肋骨砕き**の謎を解き明かし、真犯人を逮捕するのだ!」
鬼瓦刑事は、勢いよく部屋を飛び出していった。深爪は呆然と立ち尽くし、呟いた。
「…いや既に逮捕されて解決済みの事件だけど…それに自分でも新聞に書いてあることが全てだって言ってたじゃん!」
こうして、深爪と鬼瓦刑事は、**秘孔・肋骨砕き**の謎を追い求めて、滋賀県へと向かうことになったのだった。果たして、彼らは真犯人を逮捕することができるのだろうか…?そして、**秘孔・肋骨砕き**の真の力は…!?
…後日、鬼瓦刑事は、滋賀県で近江牛をたらふく食べ、お土産に鮒寿司を大量に買って帰ってきた。深爪は、事件のことなどすっかり忘れ、鬼瓦刑事から貰った鮒寿司の強烈な匂いに悶絶するのであった。