弁当の鮭の王様の衝撃!

「信じられない…」
高級マンション「麻布台ヒルズ」の1階にあるコンビニエンスストア。その陳列棚に並べられたお弁当は、まるで宝石箱のようだった…、とまでは言わないまでも、値段の高さは宝石級だった。

常連客の、ちょっとオタク気質なサラリーマン・田中(35)は、その光景に言葉を失った。
「鮭弁当、2916円…?」
田中は、信じられないという表情で、コンビニ店員の、いかにも都会っ子風で鼻持ちならない雰囲気の女性・佐藤(23)に尋ねた。
「ええ、税込み2916円です。新鮮な鮭を厳選して使用し、職人が丁寧に仕上げた逸品です。」
佐藤は、まるで高級ブランドの販売員のような口調で答える。

「…鮭…?」
田中は、頭を抱えた。
「2916円で鮭弁当か…。俺、給料日前にコンビニで鮭弁当買うような人間じゃないんだけど…」
田中は、ため息をついた。
「でも、ちょっと気になる…」
田中は、結局、その鮭弁当を購入することにした。
「こんな高い弁当、人生で初めてだ…」

田中は、オフィスに戻り、おそるおそる鮭弁当のフタを開けた。
すると、そこには…想像をはるかに超えた、異様な光景が広がっていた。
「なんだこれ!?」
弁当箱の中には、鮭の姿はほとんどなく、代わりに巨大な鮭の顔が鎮座していたのだ。
「こ、これは…一体…?」
田中は、言葉を失った。

そこに、通りかかった同僚の、明るいムードメーカー・鈴木(37)が現れた。
「おー、田中、何その弁当!?」
「いや、これ、2916円の鮭弁当なんだ…」
「2916円!?高っ!鮭の顔、一体何者だよ!?」
「いや、俺もよくわかんないんだけど…」

田中は、困惑しながら、鮭の顔に話しかけてみた。
「あの、すみません…一体、あなたは…?」
すると、鮭の顔がゆっくりと口を開けた。
「…グフフ…私は、鮭の王様、サーモン・ザ・グレート…!」

「鮭の王様…?」
田中と鈴木は、言葉を失い、固まってしまった。

サーモン・ザ・グレートは、にやりと笑うと、唐突に歌い出した。
「わたくしは鮭の王様、サーモン・ザ・グレート!
2916円の価値がある!
美味しいかどうかは、君の舌で確かめてくれ!」

「ちょ、ちょっと待って!?キングサーモンじゃないのかよ!」
田中と鈴木は、完全に理解不能な状況に陥っていた。
こうして、田中と鈴木は、2916円の鮭弁当の主・サーモン・ザ・グレートと短い昼食を過ごすことになったのであった…。

田中「確かに美味いが、高すぎだろ!」

おしまい