セクハラ教授、まさかの「人権」主張!
「いや、だからさ、なんで俺がセクハラ疑惑の教授の代わりに謝罪しなきゃいけないのよ?」
大学3年、歴史研究会の部長を務める田島は、ため息をつきながら、大学の廊下を歩く桃井教授に詰め寄った。
「田島君、落ち着いてくれ。これは君のためでもあるんだ。」桃井先生は、いつもの飄々とした様子で、田島に話しかける。
「俺のため?どういうことだよ。そもそも、セクハラ疑惑の張本人である先生自身が謝罪すればいいだけの話じゃないんすか?」
田島は、桃井先生の言葉に眉をひそめる。
「いや、そこが問題なんだね。加害者の人権も守らないといけないんだ。」
桃井先生は、まるで当たり前のことのように言う。
「人権?セクハラした人間にも人権があるって、どういうことだよ?!」
田島は、桃井先生の言葉に怒りを露わにする。
「田島君、冷静に。加害者だって、一人の人間なんだ。私にも、生きていく権利がある。その権利を守るのも、大学の責務なんだ。」
桃井先生は、田島に優しく語りかける。
「はあ?何言ってんだ、先生!そんなことより、被害に遭った学生たちのことを考えてくださいよ!」
田島は、桃井先生の言葉に呆れる。
「田島君、君も学生として、もっと広い視野を持つべきだよ。加害者の権利は大切なんだ。」
桃井先生は、田島に説教じみた口調で話す。
「もう、わかりません!先生は、いつもズレてる!」
田島は、桃井先生に背を向け、走り去ってしまった。
数日後、田島は大学の掲示板で衝撃的な光景を目にする。
「桃井先生、セクハラ疑惑の件で、大学を辞任?」
田島は、信じられない気持ちで、掲示板に書かれた文字を何度も見返す。
「まさか、あの桃井先生が…?」
田島は、桃井先生の人権論を思い出した。
「まさか、人権を守り切れなかったから辞任した…?」
田島は、桃井先生に人権について詰め寄ったことを後悔した。
「まさか、俺のせいで…?」
田島は、大学構内を歩きながら、自問自答を繰り返した。
それから数か月後、田島は大学構内で桃井先生を見かける。
桃井先生は、以前と変わらず飄々とした様子で、大学の職員と談笑していた。
田島は、驚いて声をかける。「先生…!?」
「ああ、田島君か。元気そうで何よりだよ。」
桃井先生は、田島に微笑みかける。
「あの…辞任したんじゃ…?」
田島は、戸惑いながら尋ねる。
「辞任?そんな、とんでもない。私は、大学から新たに人権擁護室の室長に任命されたんだよ。」
桃井先生は、にやりと笑う。
「人…人権擁護室…?」
田島は、桃井先生の言葉に言葉を失った。
「そう、加害者の人権を守るための部署さ。これからうちの大学のセクハラ加害者達の人権を守るぞ〜!」
桃井先生は、得意げに答えた。
田島は、桃井先生の言葉を聞いて、絶句した。
「やっぱこいつ辞任した方がええわ!」
おしまい